次世代プラットフォームというのは、リンデンラボが現在開発中の新しい仮想空間のことです。
New World Notes: BREAKING: Linden Lab Confirms It's Building New Virtual World "Far Beyond What is Possible with Second Life" (Updated with Official Statement)
SL2 Ebbe Altberg Update | Nalates' Things & Stuff
そして、先月開催されたバーチャルワールドでの教育についてのカンファレンス VWBPE 2015 の基調講演で、その「次世代プラットフォーム」の追加の情報を発表しました。
VWBPE 2015: Ebbe Altberg - LL's Next Generation platform | Living in the Modem World
現在のセカンドライフと次世代プラットフォームの違いは、下記の通りです。
セカンドライフ | 次世代プラットフォーム | |
---|---|---|
サポートされる環境 | パソコン(Windows、Mac、Linux) | パソコン(Windows、Mac、Linux)およびモバイル |
バーチャルリアリティーへの対応 | Oculus Rift 対応中 | 初期段階から Oculus Rift などに対応 |
アカウント | 1 アカウントで 1 キャラクター | 1 アカウントで複数キャラクター |
SIMの広さ | 256mx256m | 数千メートルx数千メートル |
SIMのデータ | 決まったサーバーに固定 。 SIM代=サーバー代 。 SIM代を払えないとSIMのデータは消えてしまう。 | 使われていないSIMは自動的にディスクに退避される。(サーバーのメモリ上からは消える) SIMのデータとサーバーは固定では無いみたい。 SIMのデータは永久に保存。お金を払えば前の状態を回復出来る。 |
土地の値段 | 高価 | 低価格で提供(かわりに売上税を増税) |
売上税 | マーケットプレイスの売上から徴収 | 増税予定。詳細は未定。インワールドでも徴収? |
スクリプトエンジン | Mono | Mono |
スクリプト言語 | LSL | C#(LSLはサポートされないようです) |
アバター | ○ | 変更の可能性あり |
スキン | ○ | 変更の可能性あり |
シェイプ | ○ | 変更の可能性あり |
プリム | ○ | 不明(初期段階ではサポートされないようです) |
メッシュ | ○ | ○ |
ボクセル(中身の概念がある物体) | × | ○ |
テクスチャー | ○ | ○ |
アニメーション | BVH | 変更の可能性あり |
スカルプテッドプリム | ○ | サポートされない予定 |
サポートされる3Dソフト | Blender など | 初期段階では Maya のみ。Blender などは将来対応予定 |
年齢制限 | General:16歳以上 Mature :18歳以上 Adult:18歳以上 | 13歳以上 |
Mature コンテンツ | ○ | 不明(年齢制限の影響を受ける可能性あり) |
Adult コンテンツ | ○ | 不明(年齢制限の影響を受ける可能性あり) |
インターネットとの繋がり | SLURL | 変更の可能性あり |
リリース時期 | 公開中 | 2015年夏にアルファ版公開予定 (ただし初期段階では招待制。Maya のユーザー限定) 正式リリースの時期は未定。 |
セカンドライフのアバターとの関連 | 自分のセカンドライフのアカウント名は優先的に使用可能 | |
セカンドライフからの持ち物の移動 | × | |
セカンドライフからの L$ の移動 | 不明 |
こうしてみると、セカンドライフの“次のバージョン”のように見えます。
なので、一般的には“SL2”と呼ばれています。
でもこの呼び方は、リンデンラボでの公式の呼び方ではありません。
公式の呼び方は、今のところは「次世代プラットフォーム(Next Generation platform)」です。
次世代プラットフォームが出てきたら、セカンドライフはなくなるの?
そういう疑問を持たれている方は少なくないと思います。
この点に関しては、リンデンラボ CEO の Ebbe Altberg(Ebbe Linden)さんは、明確に否定されています。
- 次世代プラットフォームは、セカンドライフ 2.0 のような“セカンドライフの次のバージョン”ではありません
- 次世代プラットフォームのサービスが始まっても、セカンドライフのサービスは継続されます
リンデンラボでは、セカンドライフと次世代プラットフォームは別のサービスで、それぞれがお互いの持っている特徴を生かしながら、共存しつつ発展していくことを想定しているそうです。
今のセカンドライフを置き換えるようなものではありませんので、セカンドライフのサービスが終わる予定はありません。
セカンドライフの開発は、現在も平行して活発に行われています。
今年も、たくさんの新機能が予定されています。
次世代プラットフォームが出てきたら、みんなそっちに行ってしまうんじゃないの?
そういう不安はもちろんあると思います。
ただ、次世代プラットフォームは上の表の内容のように“今風の仮想空間”を作ることを目指しています。
“今風”ということは、そこで要求されるパソコンなどのスペックは、結構高いものが求められると思います。
ファイナルファンタジーや World of Warcraft などの 3D の MMORPG を快適に遊べるような環境でないと、次世代プラットフォームを楽しむのは難しいかもしれません。
そうなると、今セカンドライフを楽しんでいる人でも、次世代プラットフォームは遊べないかもしれません。
そうなった場合の受け皿は、セカンドライフにあります。
セカンドライフは、古い環境も出来るだけサポートするという方針ですので。
また、物づくりの面でも、次世代プラットフォームのオブジェクトはメッシュのみで、スクリプトは C# ですので、今まで気軽にセカンドライフで物づくりしていた感覚では出来なくなります。
次世代プラットフォームの物づくりのための環境は、プロフェッショナルのような人たち向けになるそうです。
その辺も、気軽に楽しみたい場合は、今まで通りセカンドライフがその場所になります。
あと、次世代プラットフォームのサービスが始まった当初は、今のセカンドライフのような物もお店もまったくありません。
洋服も、家も、身の回りのものも、何も無い状態です。
ある程度はリンデン側でデフォルトのものが用意されるかもしれませんけれど、自分で物づくり出来ない方は“OpenSIM で無人島生活”のような悲しい状態がしばらく続いてしまうと思います。
たとえ今風のきれいなグラフィックになったとしても、今のセカンドライフのような生活はすぐには手に入らない世界ですので、そういう部分でもセカンドライフの方がまだまだ当面は楽しい生活がおくれると思います。
今のセカンドライフのような生活がおくれるようになるのは、お店などが充実してからになると思いますので、次世代プラットフォームが正式サービスになってから数年先では無いでしょうか。
そういった点を考慮すると、セカンドライフと次世代プラットフォームが共存していくというのは、正しい形だと思います。
それぞれ、目的も、出来ることも、違っていますから。
現時点では、次世代プラットフォームがどうなるかの詳細は、まだ分かりません。
セカンドライフみたいに、みんなから使われるサービスになるのかどうかも分かりません。
もしかしたら、素晴らしい未来なのかもしれないですけれど、その環境が整うのは、まだまだ先の話です。
物づくりなどをしない一般の人が楽しめるようになるのは、3年から5年くらい先だと思います。
今、仮想世界を楽しみたいと考えているのであれば、セカンドライフがその場所だと思います。
“次世代プラットフォーム”(SL2)は、まだまだ夢の世界ですので^^
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