お知らせ

2020年5月から、セカンドライフの情報は仮想生活ガイドというサイトにまとめていくように変更しました。
天使になりたくてのこれまでの情報は今後も過去ログとして残しておきますけれど、新しい情報は仮想生活ガイドをご覧ください^^

2014年10月30日木曜日

【修正】CDN 配信/HTTP パイプラインの技術を導入、メッシュ/テクスチャーの読み込みが改善されました

10 月 29 日、CDN を使用したメッシュとテクスチャーの配信が、セカンドライフの全ての場所で開始されました。


セカンドライフで進行中のプロジェクト最新情報
10 月 30 日には、HTTP パイプラインの技術を導入した公式ビュアー、バージョン 3.7.19 (295700) が公開されました。


Downloads | Second Life

HTTP パイプラインでアセットの取得時間を短縮
これにより、今までよりも快適にテクスチャーやメッシュのデータの読み込みが出来るようになりました。


CDN からの配信は、全てのビュアーで利用することが出来ます。
公式ビュアーはもちろん、サードパーティー製のビュアーでも利用可能なようです。

また、公式ビュアー 3.7.19 (295700) でも、Mac 版での日本語入力の不具合はまだ改善していません。
以前ご紹介したテスト版ビュアーは、HTTP パイプラインの機能は入っていませんが、CDN 配信には対応していますので、Mac ユーザーの方は引き続きこちらを使用されることをお勧めします。

Mac 版ビュアーの日本語入力改善にご協力お願いします


CDN からの配信になって、ネットワーク的に近いところからメッシュやテクスチャーのデータを受け取るようになりますので、これまでよりも早く表示が出来るようになりますが、SIM へ移動して一瞬で表示されるようになるわけではありません。

セカンドライフのテクスチャーなどのデータも、Web ブラウザなどで画像をダウンロードして表示するのと同じように、ダウンロードの時間が掛かります。

  • テクスチャーやメッシュのデータが大きい場合
  • テクスチャーやメッシュの画像が多い場合

には、やっぱり読み込み完了までの時間がそれなりに掛かってしまいます。

街中のショップのように、周りにテクスチャーが大量にあるところだと、その傾向は顕著です。

読み込みの速度が速くなっても、その部分の負荷が大きいと、効果は薄れてしまいます。

そのため、軽い SIM を作るためにこれまでも行われています、

  • テクスチャーの数を減らす
  • テクスチャーのサイズは出来るだけ小さくする
  • まとめられるテクスチャーは一つにまとめる
  • メッシュのデータ量を減らす

といった手法は、今後も大事です。

ただそれをしっかり行っていけば、今まで以上に快適な SIM 造りが出来るようになります^^


CDN 配信の利点は、SIM の負荷の軽減もあります。
SIM はテクスチャーなどの配信を行う必要がなくなりますので、その分の負荷が軽減されます。


見たいものがなかなか読み込まれなくて見れない…というのが、これまでのセカンドライフではかなり大きなストレスになる部分だった思いますが、ようやくそこに根本的な部分で改善が行われました。

あとは、クリエーターの方のテクニックで、より快適に楽しめる素敵な作品を見せて欲しいですね^^


※最初に公開した際は、“サードパーティー製ビュアーでは CDN 配信には対応していない”という内容で記載していましたが、実際の通信内容を確認してみましたところ、サードパーティー製ビュアーでも CDN 配信を利用していましたので、内容を修正しました。(2014 年 10 月 31日 修正)
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2014年10月21日火曜日

HTTP パイプラインでアセットの取得時間を短縮

先日ご紹介したセカンドライフで進行中のプロジェクトの中では、HTTP Pipelining Viewer がまだ公開されていませんでしたので、その内容を具体的にご紹介出来ませんでしたが、

セカンドライフで進行中のプロジェクト最新情報

先日、ようやく 、HTTP Pipelining Viewer がリリース候補版(Release Candidate)として公開されましたので、ご紹介します^^


HTTP Pipelining Viewer は、現在

Second Life HTTP Viewer version 3.7.18.295372

として、下記のページにて公開されています。

Linden Lab Official:Alternate Viewers - Second Life Wiki

リリース候補版(Release Candidate)ですので、公式版とほぼ同等の安定性があります。

ビュアーの見た目は、公式版と一切変わりません。
違いがあるのは、内部的なテクスチャーなどのアセットの取得の仕組みの部分です。


これまでのビュアーは、テクスチャーなどのアセットを、一つの接続毎に一つずつ順番に取得していました。


アセットの取得が快適に行われている場合はこれでも問題ないのですが、ネットワークの状況などによって一つ一つのやり取りに遅延が発生すると、やり取り全体もどんどん遅くなっていきます。


これを改善するために導入される技術が、HTTP パイプラインです。

HTTPパイプライン

HTTP パイプラインでは、ビュアー側からは一つの接続毎に複数の要求を出すことが出来るようになります。
またサーバー側も、アセットを一度にまとめて返すことが出来るようになります。


応答をまとめて行うようになりますので、従来のものに比べてやり取りの時間を短くすることが出来るようになります。


βグリッドの CDN のテスト環境にて実際の速度を計測した結果は、下記の通りです。

TextureTest CDN(CDN 配信の SIM)

■Second Life Viewer version 3.7.18.295539(公式最新版)

1 回目:1 分 43 秒
2 回目:1 分 38 秒
3 回目:1 分 33 秒

■Second Life HTTP Viewer version 3.7.18.295372

1 回目:2 分 3 秒
2 回目:1 分 24 秒
3 回目:1 分 32 秒

TextureTest SLS(従来の配信の SIM)

■Second Life Viewer version 3.7.18.295539(公式最新版)

1 回目:2 分 44 秒
2 回目:2 分 47 秒
3 回目:2 分 51 秒

■Second Life HTTP Viewer version 3.7.18.295372

1 回目:1 分 28 秒
2 回目:1 分 32 秒
3 回目:1 分 40 秒

従来のサーバー(SIM)では、HTTP Pipelining Viewer は従来のビュアーに比べて 1 分ほど早く読み込みが完了しています。

従来のサーバー(SIM)で CDN 並に早くなっているのと、CDN のサーバーでは HTTP Pipelining Viewer の効果がほとんど出ていないところが不思議なのですが…、

この時間には、

  • ログイン時間
  • 受け取ったアセットのディスクへの読み書き時間
  • 画面への表示時間

も含まれていますので(計測はログインボタンを押した時点から開始しています)、もしかしたら私の環境では、この辺が上限の値なのかもしれません。

また、CDN のサーバーはまだ導入段階で最適化が行われていないかもしれませんので、その辺の影響もあるかもしれません。

この辺は、実際に導入される段階で、もう一度確認してみたいですね。


それにしても、従来のサーバー(SIM)でも大きな効果が出るというところは、予想外でびっくりしてしまいました。

テクスチャーを一気に取得しますので、現状のままだと SIM の負荷が短時間に上昇してしまう可能性もありますが、CDN になればその心配もなくなりますので、

CDN + HTTP Pipelining Viewer

のセットで導入を行って欲しいですね。


ちなみに HTTP Pipelining Viewer では、持ち物の取得も HTTP パイプラインの技術を使って高速化されています。

Second Life Viewer version 3.7.18.295539(公式最新版)

7 分 2 秒

Second Life HTTP Viewer version 3.7.18.295372

1 分 13 秒

ベータグリッドで 17051 個のアイテムがある状態で、これだけの劇的な改善が見られました。

表示だけでなく、着替えや物づくりなど、様々なところで HTTP パイプラインの恩恵を受けそうです。

日本のようにネットワーク的に遠いところほど恩恵を受ける技術だそうですので、一日も早く導入して欲しいですね^^

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SSLv3 の脆弱性「POODLE」の対策を行った公式ビュアーがリリースされました

SSLv3 の脆弱性「POODLE」の対策を行った公式ビュアー、バージョン 3.7.18 (295539) がリリースされました。

セカンドライフ公式サイトのダウンロードページからダウンロード出来ます。


Downloads | Second Life


SSL と言うのは、インターネットの通信を暗号化して、安全にやり取りが出来る仕組みのことです。

Transport Layer Security

銀行などのオンラインバンクの取引やショッピングサイトでのお買い物などはもちろん、最近は Twitter や Facebook など様々なサイトで利用されているものです。

SSL の技術も日々進化をしていて、現在は「TLS 1.x」というバージョンが主に利用されているのですが、昔の SSL 3.0 のバージョンを使い続けているところもまだあるそうです。

そういうサーバーにアクセスした際にサイトが全く利用出来なくならないように、これまでは TLS に対応していないサービスでは、自動的に SSL 3.0 に切り換えて通信を行う仕組みが、ほとんどの SSL を利用したアプリケーションに用意されていました。

ところが、この SSL 3.0 に設計上の脆弱性(欠陥)が見つかって、Wi-Fi スポットのような他のユーザーの通信が見れるような場所の場合は、暗号化された情報を復号することが出来てしまい、ID やパスワードなどのアカウントの情報などにアクセス出来てしまうことが分かりました。

このための対策が、サーバー側はもちろん、ユーザー側の Web ブラウザなどの SSL を利用するアプリケーションでも現在行われています。

セカンドライフの公式ビュアーも内蔵ブラウザでは SSL を使用していますので、バージョン 3.7.18 (295539) でこの対策が行われました。

具体的には、セカンドライフの内蔵ブラウザで使用されている SSL での SSL 3.0 を削除して、根本的に無効化するという対策が行われました。

これにより、バージョン 3.7.18 (295539) 以降では、より安全に SSL のサイトを利用することが出来るようになります。

もし、バージョン 3.7.18 (295539) 以降で、内蔵ブラウザで利用出来ない SSL のサイトが出てきた場合は、その際はサーバー側の問題が考えられますので、そのサービスのサーバーの管理者さんに連絡をしてください。

この対策は、セカンドライフのビュアーだけでなくて、Chrome や Internet Explorer などの Web ブラウザなどでも、同様に行われているものです。

インターネットの安全な利用のためには不可欠なものですので、バージョンアップ可能な方は、すぐに導入された方がいいです^^


ちなみにこのバージョンでも、Mac 版での日本語入力の不具合はまだ解決していません。

天使になりたくて: Mac 版ビュアーの日本語入力改善にご協力お願いします

以前ご紹介した日本語入力修正のテスト版を引き続きご利用になられる方は、内蔵ブラウザで SSL のサイトを利用される場合はそういうセキュリティー上の問題がありますので、内蔵ブラウザではなく、Chrome や Safari などの同様の対策を行っている Web ブラウザを利用されるようにした方がいいです。

SSL 3.0に深刻な脆弱性「POODLE」見つかる Googleが対策を説明 - ITmedia エンタープライズ

Apple、OS X向けのセキュリティアップデート公開、SSL 3.0の脆弱性に対処 - ITmedia エンタープライズ
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2014年10月8日水曜日

公式ビュアーのログイン画面が変更になりました

セカンドライフの公式ビュアーの最新版、バージョン 3.7.17 がリリースされました。

このバージョンでは、ログイン画面が変更されました。



今までログイン画面の下側にあったユーザー名などの入力欄が上に移動して、その下にイベントなどのお知らせが表示されるようになりました。

既存のユーザーにとっては、レイアウトが変わった程度で、それほど変わらない変更だと思います。


一番の変更点は、新規ユーザーがログイン画面を見た際の表示が、これまでのものとは大きく変わったところです。


従来のログイン画面では、新規ユーザーも既存ユーザーも、同じログイン画面を見ていました。

新しいログイン画面では、新規ユーザーには、これからセカンドライフを始めるために必要な情報(ガイド)が表示されるようになりました。

インワールドのイベントなどの情報などは、これからセカンドライフを始める人にとっては、まだほとんど意味が無い情報ですので、これでより分かりやすくなると思います^^


ビュアーのアップデートの際も同様のインストラクションが出る…みたいなのですが、そちらはまだそういう状況に遭遇していませんので、確認出来ませんでした。

そちらは、今後のアップデートの際に確認してみたいと思います。
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2014年10月7日火曜日

Oz Linden さんのオフィスアワー(2014/10/6)

10 月 6 日に行われました、Oz Linden さんのオフィスアワーでの話題を紹介します。

日本語入力の不具合修正の進捗

Oz Linden さんが、他の作業(ソースのビルド環境の更新)で忙しかったため、本来は 3.7.16 あたりで本家に採用される予定だった Mac 版公式ビュアーでの日本語入力の不具合修正は、延期になっていたそうです。

今週公開予定のリリース候補版(Release Candidate)で、ようやく採用されるそうです。

修正内容に関しては、リンデンさん側でもとても良い評価が出ているそうですので、あとは適用されるのを待つだけです^^

(提案)カメラオフセットの UI を公式ビュアーに


カメラのオフセットを、公式ビュアーの UI で調整出来るようにしては?という提案がありました。

ユーザーの視点用のカメラは、アバターから一定距離の位置に常にありますが、この位置をユーザー好みの位置に調整出来るようにしようという話です。

カメラは、立ってる時、座っている時など、状況に応じて変えたいこともありますので、値を保存出来る「プリセット」機能も必要という話もありました。

幸い、公式ビュアーでは、ユーザーの設定は全バージョンで共有出来る形になっているそうですので、プリセットなどの設定を用意した場合も、大丈夫な仕様になってるそうです。

それなら、iCloud での設定ファイルの共有にも対応したいですね…という話も出ていました。

ここで話題になっているカメラオフセットの機能は、マシニマなどの映像の撮影で使われているカメラ用の HUD の機能と同じだと思いますので、そういう形で使われている方にとっても、注目の機能だと思います。

この辺は全てまだ提案レベルですが、Oz Linden さんもいいねという感じでおっしゃっていましたので、実際に作る人が出てきたら採用される可能性は高いと思います。

Yosemite でのファイルダイアログのクラッシュ


現在ベータ版が公開されている Mac OS X 10.10 Yosemite では、ビュアーでファイルダイアログを開くと、ビュアーがクラッシュするという問題があるそうです。

[FIRE-14225] [MAC Yosemite] File picker crash on osx 10.10 Yosemite - "Wrong vertex buffer bound" - Firestorm Bug Tracker

Ogre3D も同様の問題があったそうですが、こちらでは解決しているそうですので、その辺に何か解決策があるのではないかというお話をされていました。

Yosemite 導入予定の方は、この辺の状況を確認してからにされた方がいいかもしれません。

CDN 配信、273 SIM に拡大


CDN 配信に切り替わった SIM は、273 SIM に拡大されたそうです。

追加された SIM のほとんどは、メインランドの SIM だそうです。

CDN 配信のテストは、

Second Life RC Snack

というバージョンのサーバーで行われていますので、サーバーのバージョンを確認して Snack になっていれば、CDN 配信に切り替わっている SIM ということになります。



CDN 配信になっていても、パソコンにすでにキャッシュがある場合はそちらが参照されますので、CDN 配信の速度を確認したい場合は、キャッシュをクリアーしてから確認してください^^
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Oz Linden さんのオフィスアワー

Oz Linden さんは、セカンドライフ全体のディレクターで、サードパーティービュアーなどのベースとなるオープンソースプロジェクトも担当されています。

User:Oz Linden - Second Life Wiki

その Oz Linden さんのオフィスアワー(住人との交流の場)は、下記の日時に開催されています。

毎週月曜日 23:00〜24:00(日本時間)

開催場所は、下記の場所です。




Oz Linden さんのオフィスアワーでは、オープンソースプロジェクトに参加する開発者に向けた情報交換が行われています。

開発者同士の交流の場所ですので、ほとんどは専門的な内容ばかりです。
また、それについての解説もありません。

C++ や Objective-C などのプログラムの知識があって、セカンドライフビュアーなどの開発に興味がある方のみに向けた、オフィスアワーです。

会話はテキストチャットで行われていて、全て英語で行われます。
日本語は通じません。


オープンソースプロジェクトでの内容は、SnowStorm ビュアーとして公開されたあと、リンデン公式のビュアーにも採用されます。
サードパーティービュアーだけでなく、公式ビュアーにも貢献出来るものです。

ビュアーなどの開発に貢献したいという方にとっては、すごく魅力的なプロジェクト/オフィスアワーだと思います。


ビュアーなどの話題があるということで、“ここで不具合や要望を直接報告したら…”と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここではそういった内容は基本的に受け付けていません。

オフィスアワーで議題に上がるのは、基本的に JIRA に報告があった不具合のみです。

System Dashboard - Second Life Bug Tracker

開発者の方は、JIRA に上がっている課題の情報を元に、自分で修正出来る項目を見つけて修正を行い、修正版としてリンデンさんに提案を行います。
リンデンさんはその中から、本家で採用するものを決めて、オープンソースプロジェクトに採用していくという流れになります。

その際の修正方法についての情報交換などを、このオフィスアワーで行っています。

そういった開発に興味のある方は、日本から参加しやすい時間帯のオフィスアワーですので、ぜひ参加してみてください^^
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2014年10月4日土曜日

セカンドライフで進行中のプロジェクト最新情報

通称“SL2”と呼ばれている、リンデンラボで開発中の“新しいプラットフォーム”の話もありますが、

セカンドライフもまだまだ改良していますよ!

という話が、公式ブログで紹介されています。

An Update on Several Improvements to Second Life

デフォルトのグラフィック設定の改善


現在のビュアーは、対応する GPU のリストがあらかじめ用意されていて、それに合わせてデフォルトのグラフィック設定が行なわれるようになっています。

このリストに含まれている GPU であれば、初回起動時から、リンデンラボが想定したその GPU に最適な設定でセカンドライフを楽しむことが出来ます。
グラフィックの設定に詳しくない人でも、そのままの状態で楽しむことが出来るのが特徴です。


しかし、リストに含まれていない GPU の場合は、どんな設定をすればよいか分かりませんので、デフォルトの設定は最低の「低」状態になります。

性能の低いパソコンで動かした場合はこれでも問題ないのですが、同様のことは、新しいパソコンに搭載された新しい GPU の場合にも発生してしまいます。

せっかく最新のパソコンを買ったのに、きれいに見えない!

というのは、これが原因です。

その場合、
  • GPU のリストが更新されるのを待つ(対応時期は未定)
  • グラフィックの設定を自分で調整する(初心者には難しい)
のいずれかが必要になります。


この問題を解決するために、ビュアーを立ち上げた際にそのパソコンの GPU の性能を自動的に計測して、その内容に基づいて設定を行う方式への変更が、現在行われています。

それが、Project Benchmark Viewer です。


Project Benchmark Viewer は、Alternate Viewers のページからダウンロード出来ます。

Second Life Project Benchmark Channel

Project Benchmark Viewer は、まだベータ版以前の段階のものです。
大きな不具合が残っている可能性もありますので、使用される場合は自己責任になります。


Project Benchmark Viewer を起動すると、パソコンの GPU の性能に応じた設定が自動的に行われます。

Project Benchmark Viewer はメニューバーが水色です

公式ビュアー 3.7.16.294015 で設定された内容

Project Benchmark Viewer 3.7.17.294710 で設定された内容

このように、Project Benchmark Viewer では GPU リスト無しでこれまでと同様の設定が自動的に可能になっていますので、新しい GPU のパソコンなどを買った時でも、すぐに最適な状態でセカンドライフが楽しめるようになるはずです^^

ログイン画面の改善


新しくセカンドライフを始めるユーザー向けに、いろんな情報が並べてある現在のログイン画面ではなく、より分かりやすくシンプルにしたものが準備されています。

セカンドライフを新規インストールした状態のログイン画面

既存ユーザー向けのログイン画面

初心者にいきなりいろんな情報を見せても混乱するだけですので、こういった形で必要な情報のみ表示されるようになるというのは、良い流れだと思います。

新しいバージョンのビュアーがある際の手順の説明も、ログイン画面に表示されるようになるそうです。

ログイン画面を改善したバージョンのビュアー「Second Life Login Viewer」は、Alternate Viewers のページからダウンロード出来ます。

Second Life Project Benchmark Channel

Second Life Login Viewer はリリース候補版(Release Candidate)ですので、公式版とほぼ同等の安定性があります。
ただ、ログイン画面以外は公式版と同様ですので、公式版に導入されるまで待っても、そんなに違わない部分だと思います。

パフォーマンスの改善


CDN


現在、テクスチャーやメッシュのデータは、SIM にオブジェクトを配置(Rez)した際にアセットサーバーから SIM にデータがコピー&キャッシュされて、その SIM を見ているビュアーに配信されます。


ユーザーから見ると、テクスチャーやメッシュのデータは SIM から受け取っていることになります。


SIM は、アバターなどの動きの物理計算だけでなく、テクスチャーなどのデータをビュアーに送る仕事もしています。

一度にビュアーに送れるデータの数には制限がありますので、転送に時間がかかる大きなテクスチャーがある場合は、SIM の窓口が混雑してしまって、たくさんの人に一度に配信することが難しいこともあります。

大きなテクスチャーを使用すると SIM に負荷がかかる…と言われているのは、この辺に原因があると思われます。

このため、メッシュやテクスチャーなどを多用して凝った SIM を作ろうとすると、それだけで SIM に負担が掛かってしまう可能性があります。


また、セカンドライフのサーバーはアメリカにあります。
SIM が動いているサーバーも同様です。

インターネットの世界も、物理的な距離によって到達時間が変わります。

日本とアメリカの場合は、太平洋に敷設された海底ケーブルを介して通信が行われますので、日本国内のサーバーにアクセスするよりも、ずっと時間が掛かります。

セカンドライフの SIM の場合、私の環境では通常 150 〜 200ms 程度、到達時間が掛かっています。

この時間がテクスチャーなどのデータのやり取りの際にも毎回加算されていきますので、読み込みがさらに時間がかかってしまうようになります。

また、チャットやアバターの移動などのキー操作に対しての反応も、この時間分遅れていきます。
そのため、ラグが発生しやすい原因にもなっています。

日本からセカンドライフをプレイする場合は、この辺が常に大きなネックとなっていました。


そこで、この状況を根本的に変えるために導入されるのが、「CDN」です。

CDN は「コンテンツデリバリーネットワーク」の略で、ネットワーク的に近いサーバーからデータをダウンロード出来るようにして、ダウンロード時間を短くしようという仕組みのことです。

コンテンツデリバリネットワーク - Wikipedia

CDN は、オンラインゲームや動画のストリーミング配信などに使われている技術です。

特に、オンラインゲームのようにレスポンスが命のようなものの場合は、サーバーが近いところにあればあるほど有利になりますので、CDN に対応しているかどうかは非常に重要です。


セカンドライフでは、これまで SIM からビュアーに対して配信を行っていたアセットのうち、
  • テクスチャー
  • メッシュ
のデータの配信を、CDN からの配信に切り換える準備を現在行っています。

CDN は、ユーザーの環境に近いところが自動的に選択される形になっていますので、日本の場合は下記図のような形になるはずです。



セカンドライフでは、Steam などのネットワークゲームの配信でも利用されている CDN サービス「Highwinds」を利用するようです。


Highwinds

Highwinds の CDN のサーバーは、東京にもあります。


Rolling Thunder | Content Delivery Network | CDN | Highwinds

Oz Linden さんはオフィスアワーで、

「日本のように SIM からネットワーク的に遠いところのユーザーが…」

とわざわざ“日本”を挙げて CDN の紹介をされていましたので、特に日本を意識した改善なのかもしれません。

ちなみに、セカンドライフの CDN 用のサーバー(asset-cdn.agni.lindenlab.com)へは、私の環境からは 20〜30ms くらいで通信が出来ています。

またネットワークの経路を実際に調査してみたところ、日本からセカンドライフの CDN への通信は Highwinds の東京の拠点を介して行われていましたので、東京の CDN が活用されている可能性が高そうです。

もしそうであれば、テクスチャーとメッシュの配信に関しては、5 倍〜 10 倍くらいの速度の改善が見込まれそうな雰囲気です。
日本のユーザーにとっては、劇的な改善になるかもしれません^^


ビュアー側は、現在リリースしている公式ビュアーではすでに CDN 配信に対応していますので、特別なビュアーは必要ありません。
サーバー側の準備が出来れば、全てのユーザーが恩恵を受けることが出来るようになります。


現在、メイングリッド で CDN のテストが行われているのは、下記の SIM です。
  • Denby
  • Hippo Hollow
  • Hippotropolis
  • Testylvania Sandbox

その他にも、いくつかのプライベート SIM にて、CDN 配信のテストが行われているそうです。
  • Brasil Rio
  • Brocade
  • Fluffy
  • Freedom City
  • Rocket City
  • Whippersnapper

本当に早くなっているかどうかを細かく確認したい人向けの環境は、ベータグリッドに用意されています。

Server Beta User Group

こちらのページの「Texture And Mesh Fetch Testing」の手順に沿ってテストを行うことで、体感することが出来ます。

時間は、携帯電話などのストップウォッチで計測すると分かりやすいです。

ちなみに、わたしの環境でテストした結果は、下記の通りでした。

CDN のサーバーへの ping:20〜30ms
SIM への ping:いずれも 200ms くらい

■TextureTest CDN

1回目:4 分 7 秒
2回目:1 分 37 秒
3回目:1 分 38 秒

■TextureTest SLS

1回目:2 分 36 秒
2回目:2 分 38 秒

CDN のサーバーで 1 回目の計測が遅いのは、アセットサーバーから CDN へのデータの転送時間が掛かっているからだと思われます。

本番の環境に導入された場合はその時間は無いはずですので、2回目以降の時間が CDN での実際の時間だと思います。
そうだとすると、これまでよりも 1 分も早く読み込みが完了しますので、かなりの改善が期待出来そうです。

CDN からの配信が行われるのは、最初はテクスチャーとメッシュのみですが、サウンドやアニメーションなどの他のアセットも、順次 CDN からの配信に切り換えていくそうです。

HTTP Project - Pipelining


「HTTP パイプライン」という通信の際のパフォーマンスを向上させる技術をビュアーに導入することで、テクスチャーやメッシュなどのアセットの取得をより早く行おうとする作業が行われています。
また、CDN に対応した調整も行われています。

HTTPパイプライン

CDN と組み合わせることで、たくさんのテクスチャーを一気に読み込むことが出来るようになるため、今まで以上に早く表示が出来るようになる…はずです。

はず…と書いたのは、現在 HTTP Pipelining Viewer として公開されているものはまだ無いため、実際に試してみることが出来ないからです><

HTTP パイプライン対応のビュアーはまもなく公開されるようですので、そちらが出たらぜひ試してみようと思います^^

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2014年10月1日水曜日

許可されていないスキルゲーム機は、10 月中に撤去しましょう


Update to The Skill Gaming Application Process


2014 年 9 月 1 日、セカンドライフの「スキルゲーミング政策(Skill Gaming Policy)」が発効されました。


“スキルゲーム”は、お金をかけて、ゲームで設定された技術(テクニック)をプレーヤーがクリアー出来た場合に賞金が貰えるような仕組みになっているゲームのことです。

運任せのギャンブルではなくて、ユーザーの技術(テクニック)で賞金が貰えるというところから、

“スキルゲーム”
“スキルゲーミング”

と呼ばれています。

Zyngo などのゲーム機で、お金をかけるようになっているものが、これに該当します。


これまでスキルゲーミングの活動を行っていて、今後も継続を希望する下記の人向けに用意されたプログラムへの登録は、9 月 1 日に締め切られました。

  • スキルゲーム用のゲーム機の製作者
  • スキルゲームの運用者

現在はそれらの応募を審査中で、応募した人は引き続きスキルゲーミングの活動が認められているそうです。


スキルゲーミング政策の実際の施行は、2014 年 11 月 1 日からになりました。
許可された運営者/製作者以外の全ての住人へのルールの適用は、この日からになります。

11 月 1 日以降、Skill Gaming SIM でない普通の SIM にスキルゲームのオブジェクトがあると、ルール違反になります。

注意が必要なのは、

リンデンラボから許可された Skill Gaming SIM の運営者以外の人は、
スキルゲーミングのゲーム機を設置することが
禁止されている

ということです。

これは、プライベート SIM も同様です。

スキルゲームを設置出来る場所

メインランド×
Skill Gaming が許可されたプライベート SIM
通常のプライベート SIM×

※メインランドなどのリンデンが SIM オーナーのところは、全面的に設置禁止です。

スキルゲームを設置出来る人

Skill Gaming SIM 専用のオーナー
通常の SIMオーナー×
通常のエステートマネージャー×
通常のSIM の管理グループの人×
一般の住人×


スキルゲームに該当するゲーム機を普通の SIM に設置している方は、10 月中にそれを撤去しておきましょう。
また SIM オーナーさんは、そういうオブジェクトが SIM 内に残っていないかどうかを、チェックされた方がいいと思います。

スキルゲーミングのルールに違反した場合は、

  • オブジェクトの削除
  • SIM の削除
  • アカウントの停止または永久 BAN
  • 資金の没収

などの処罰があるそうです。

オブジェクトを置いた人だけでなく、SIM オーナーさんも責任を問われるような内容になっていますので、この辺も注意が必要だと思います。

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